「果しなき流れの果に」感想

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果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

1965年作。『日本沈没』(1973年)よりも前の作品。

最初は殺人事件が起こり、ミステリーのような様相も、そこから壮大なSFへと大展開していきます。

第四章「審判者」・第五章「選別」あたりの思索が面白く、色々と考えさせられました。

あと、『涼宮ハルヒの憂鬱』は、本作の影響を受けているような気もする(SFをあまり読んでいないので適当です)。

【有栖が語るミステリ100】読了37作目

「六枚のとんかつ」感想

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六枚のとんかつ (講談社文庫)

六枚のとんかつ (講談社文庫)

1997年作。文庫化にあたり、大幅加筆とのこと。伝説のメフィスト賞受賞作。

読者の罵声・怒号を浴びながらも版を重ねていった、それが六とん。

読書家あるあるマンガ『バーナード嬢曰く。』2巻#27。カーの話題を振られたミステリマニアの長谷川さんが、つい本書を遠藤くんに紹介してしまい、読んじゃダメと必死に説得をする、それが六とん。

一気読みしてしまったのだから、面白いかどうかと言えば、バカ面白い。でも、絶対に人にはオススメできない。それが六とん。

そう言われると、なぜだか読みたくなる、それが六とん。

(表題作は良作ですし、主人公と早乙女のコンビは楽しかったです)

本格ミステリ・クロニクル 300】読了42作目 1997年作
【漫画「バーナード嬢曰く。2巻」#27】

「初恋」感想

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初恋 (光文社古典新訳文庫)

初恋 (光文社古典新訳文庫)

原著1860年作。2006年、沼野恭子さんによる新訳。

思えば結構ドロドロした話なのに、甘く切ないと感じられるところが、本作の魅力でしょうか。それだけ、心理描写や自然描写が鮮やかなのです。

訳注なしで、流れるように読める訳文も素晴らしい。

関係ないけど、もし江戸川乱歩がこの小説を翻案したら……と、いらん空想をしてしまった。

【『“文学少女”と恋する挿話集 1』モチーフ】

「言葉の力を贈りたい」感想

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言葉の力を贈りたい

言葉の力を贈りたい

2002年刊。
NHK「人間講座」テキストの加筆、NHK「未来潮流」での対談、その他文庫本解説等を収録したもの。
現代の詩人・詩について、紹介・解説されています。椎名林檎中島みゆき甲本ヒロトなど、歌詞も取り上げられている。
エッセイのような文章で書かれているので、詩に疎い自分でも面白く読めました。印象に残ったのは、谷川俊太郎石垣りんのお二方ですね。

【光村図書 中学校教科書 国語 1年 紹介図書 平成28年度】

「生きもののおきて」感想

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生きもののおきて (ちくまプリマーブックス)

生きもののおきて (ちくまプリマーブックス)

1999年刊。非ネコ本。1982年から84年にかけて、アフリカに長期滞在した著者による、文章メイン(写真60点)の本です。

サバンナの野生動物に対して、学術研究的な視点を廃している(反発している感も強くある)のが特徴。人間的な解釈をしてはいけない、と何度も説かれています。

ヌーの群れがいっせいに子どもを産むことについて、「ハイエナが食べ尽くせないほど産む」というくだりが、いちばん印象に残りました。

【光村図書 中学校教科書 国語 1年 紹介図書 平成28年度】

「おおかみと七ひきのこやぎ」感想

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おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ)

おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ)

1967年刊(原著1957年刊)。

残酷さもあいまって、子供の時に一度読んだら忘れられないグリム童話。ストーリー構成も見事で、これは立派なホラー短編と言ってもよいような。

フェリクス・ホフマンの絵が素晴らしく、特に、母ヤギによるオオカミの開腹シーンのインパクトたるや。
翻訳はおなじみ、瀬田貞二さんです。

「万葉集 ビギナーズ・クラシックス」感想

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たまたま読もうと思っていたタイミングと「令和」への改元が一致して、味のいい読書となりました。

後半に収録されているものほど、面白く読めた感じがします。

浦島伝説が万葉集に載っていることを初めて知りました。政変や遣唐使、防人など、歴史をうかがえる歌も興味深い。

口絵と解説で気付きましたが、平仮名が発明される前で、原文は万葉仮名、つまり全部漢字だったんですね。なんか変体仮名とごっちゃに記憶していて、勉強になりました。

【『“文学少女”と恋する挿話集 1』モチーフ】