「復活の日」感想

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復活の日 (角川文庫)

復活の日 (角川文庫)

1964年(東京五輪開催年)の作。新型ウイルスのパンデミックによる人類滅亡の危機を描いたSF長編。

現在の状況とシンクロする言動や思考が随所に見られて、なんとも言えない気持ちになってしまいました。未知のウイルスに対する決定的な対処法がないのは、当時と変わっていません。

米ソ開戦に現実味があった時代の作で、戦争とウイルスの恐怖がミックスされています。現実世界では米ソの冷戦は一応克服したけど、果たしてウイルスは克服できるのか。

作中で、ある医師は言います。「どんなことにも……終わりはあるさ……」「ただ……どんな終わり方をするかが、問題だ」

素晴らしい作品ですが、いま読むには覚悟がいりますね。