「柿の種」感想

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柿の種 (岩波文庫)

柿の種 (岩波文庫)

親本1933年刊。物理学者・寺田寅彦(1878-1935)による大正から昭和初期にかけての随筆集。

変に偉ぶったり、他人を見下したりということがあまりないので、非常に読みやすい。

文中、関東大震災(1923)の記述があり、本文庫(1996刊)解説で池内了氏が阪神淡路大震災(1995)に触れ、東日本大震災を経た今に読むと、考えさせられるものもあります。

「日本人の出した独創的な破天荒なイデーは国内では爆発物以上に危険視される」(昭和十年七月十三日)――この風潮はこの時代からあったんですね、根深いなあ。

米澤穂信古典部 千反田えるの本棚30冊】読了15作目