「フランケンシュタイン」感想

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フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

1831年作(初版1818年)。

誰もが名前を聞いたことのあるような有名作も、フランケンシュタインと言えば『怪物くん』(藤子不二雄)、そして、怪物の名前ではなく博士の名前というトリビアぐらいしか知りませんでした。

怪物の独白パート。人間と触れあいたいという希望が絶望へと変わっていくのが、とにかく切なくて悲しい。丁寧な風景描写、淡々と積み重ねられる心理描写が、じわじわと心に染み入ってきます。

ホラー風味はあまりなく、フランケンシュタインと怪物、それぞれの感情の移ろいが読みどころ。

読んでいる途中、カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』のことを何となく思い浮かべたのですが、訳者解説で言及がありました。

米澤穂信古典部 千反田えるの本棚30冊】読了20作目
【『“文学少女”見習いの、傷心』モチーフ】