「天球儀文庫」感想

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天球儀文庫 (河出文庫)

天球儀文庫 (河出文庫)

1991-1992年作。天球儀文庫シリーズ四作の合本。

初出の単行本は「天球儀文庫」の名にふさわしく、造本と装丁に凝っていて挿絵もありました。

少年二人の交流が緩やかに(けれど最後は鋭利に)描かれていて、道具立てやら、世界観やら、初期作好きの長野ファンなら満足間違いなし。難解さもなく、不穏さもありません(死の要素があったほうが好みですが)。

作風の変化に触れた作者あとがき(2005年)も興味深い。20年ほど前に加入していたファンクラブ(三月うさぎのお茶会)会報のエッセイ等でも、読者ファンに媚びるようなことは無く、強い信念を持って創作に当たっている感じがあったと記憶しています。