「春昼・春昼後刻」感想

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1906(明治39)年作。

なかなか読み進めるのは大変だけれど、現実と幻想が入り混じっていく陶然感がたまらない。春という季節の「寂しさ」を語る、その一つ一つの描写が美しいのです。特に『春昼後刻』で、みをが語る言葉の数々が心に染み入ってきます。

高野聖』ほどの怪奇はありませんが、ドッペルゲンガー要素も出てきたりで、恐怖と美しさが味わえる一作です。

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