「こちら『ランドリー新聞』編集部」感想

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こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー)

こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー)

原著は1999年、アメリカで出版された児童文学。

テーマは表現・報道の自由(具体的には合衆国憲法修正第一条)。5年生の少女が作成した学級新聞をきっかけに、生徒と大人の攻防が始まります。

「バーンズ博士はよい校長先生であり、よい管理者です。しかし、よい担任教師ではないのです」といった記述にあるように、単に大人が悪・子供が善という対立構図ではありません。親の離婚などの重たいテーマも含みながら、物語にはユーモアや皮肉が込められ、読後感はさわやか。理解ある周囲の大人たちの存在が頼もしい。本書そのものが体験学習のよう。

小学校中級からとありますが、中学生でも十分に通用するような深みのある良書だと思います。伊東美貴さんによる表紙や挿し絵もかわいくて好み。

【光村図書 小学校教科書 国語 5年 紹介図書 平成27年度】