「“文学少女”と繋がれた愚者」感想

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“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

いやあ、重かった。題材となっている武者小路実篤『友情』よりも、さらに重たい。重たい話のライトノベル。ここまでハードに描かなくても、と思うぐらい。

『友情』が三角関係の話なので、ベースは恋愛話。でも、そこにちょっとミステリーの要素があったり、学園ものの要素が入ってきたり。そのブレンド具合が絶妙です。登場人物それぞれの想いのちょっとしたズレが大きな事態へとつながっていくだけに、読んでいて切ないし、つらい。

最後にシリーズ全体の謎にも展開があって、引きのある終わり方。次の題材は『オペラ座の怪人』――昔読んだ覚えはあるけど、あまり覚えていないので、こちらの再読も楽しみ。