「時の誘拐」感想
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- 作者: 芦辺拓
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/03
- メディア: 文庫
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現在と過去の事件が交錯する長編ミステリー。
冒頭の誘拐事件の描写が素晴らしい。当時(1996年頃)のデジタル機器の駆使と、都市(大阪)の歴史や構造が相まっていて、面白かったです。
過去(戦後すぐ)の事件では、当時の警察制度や交通手段など時代背景そのものも興味深く読めました。
中央(東京)批判や大阪愛がベースとなっているので、地元の人ならより楽しめるのではないかと。自分はちょっと鼻に付いてしまったけれど、96年当時(阪神大震災後)の社会情勢も考えると納得できる部分もあります。
社会派的な本格ミステリーとして、まずまず楽しめました。