「七回死んだ男」感想

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七回死んだ男 (講談社文庫)

七回死んだ男 (講談社文庫)

時間ループというSF設定によって、主人公が事件を推理する探偵役になっているのが面白い。ループするごとに、各登場人物の言動を別の場所から眺めることになるので、一人称でありながら同時刻の別場面を描写できるのです。

ちょっと最後の切れ味が悪いかなあとは思うものの、きちんと伏線もあって、しっかり本格ミステリしているのは素晴らしいです。著者の本格マインドについては、あとがきでも語られています。

この設定で複数作家が競作したら面白いかも――と思ってしまいました。

【本格ミステリ・クロニクル 300】読了22作目 1995年作