「不在の騎士」感想

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原著1959年作。

甲冑姿で実体のない騎士・アジルルフォが主人公。簡単に言うと『鋼の錬金術師』の弟・アルフォンス。若者や盾持ち、女騎士などを配して、それぞれの存在意義を問うような物語です。

中世騎士社会を舞台にしていて、ユーモラスな場面も多く(そして、そこに寓意が仕組まれている)、冒険・ファンタジー(幻想)小説としても面白い。

作品自体にも語り手を置いて、「存在」について考えさせられるようになっています。200頁ほどと長くはないのですが、じっくりと読ませる濃厚な作でした。

米澤穂信古典部 千反田えるの本棚30冊】読了13作目