「清兵衛と瓢箪・網走まで」感想

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清兵衛と瓢箪・網走まで (新潮文庫)

清兵衛と瓢箪・網走まで (新潮文庫)

全18編の短編を収録。明治37年大正3年の作。

ミステリー好きとしては、『剃刀』『范の犯罪』『児を盗む話』の三編が面白かった。徐々に緊迫感が増していく丁寧な描写で、ホラーっぽい雰囲気もあります。心理が細やかに書き込まれているので、じわじわと恐怖が染み入ってくる。

それ以外で印象に残ったのは、有名な『清兵衛と瓢箪』かな。瓢箪をコレクションする少年と父の軋轢。『米澤穂信古典部』で、本書が「千反田えるの30冊」に選ばれている理由は、多分、この作があるからなのでしょう。

白樺派と聞いてもピンと来ない文学オンチの自分ですが、意外と読みやすく、楽しめる作が多かったです。

米澤穂信古典部 千反田えるの本棚30冊】読了11作目