「清兵衛と瓢箪・網走まで」感想
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- 作者: 志賀直哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968/09/17
- メディア: 文庫
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ミステリー好きとしては、『剃刀』『范の犯罪』『児を盗む話』の三編が面白かった。徐々に緊迫感が増していく丁寧な描写で、ホラーっぽい雰囲気もあります。心理が細やかに書き込まれているので、じわじわと恐怖が染み入ってくる。
それ以外で印象に残ったのは、有名な『清兵衛と瓢箪』かな。瓢箪をコレクションする少年と父の軋轢。『米澤穂信と古典部』で、本書が「千反田えるの30冊」に選ばれている理由は、多分、この作があるからなのでしょう。
白樺派と聞いてもピンと来ない文学オンチの自分ですが、意外と読みやすく、楽しめる作が多かったです。