「殺意」感想

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殺意 (創元推理文庫 (124‐1))

殺意 (創元推理文庫 (124‐1))

再読。『毒入りチョコレート事件』で有名なアントニイ・バークリーの別名義による、1931年作の倒叙物。初読時は、序盤の展開に退屈したり、思いもよらない結末に唖然として、何とも言えない読後感でした。それでも、いくつかのシーンや結末を覚えていたので、インパクトがあったのだと思います。

今回の再読でも、やや冗長に感じられて、読むのに時間がかかりましたが、バークリー名義の本をすでに5冊読んでいたこともあって、この著者らしい意欲にあふれた作だと思えるようになりました。

主人公が抱く劣等感の描き方が、結末とともに皮肉がきいています。そこにバークリーらしさが表れていて好きですね。

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