「殺意」感想
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- 作者: フランシス・アイルズ,大久保康雄
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1971/10/22
- メディア: 文庫
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再読。『毒入りチョコレート事件』で有名なアントニイ・バークリーの別名義による、1931年作の倒叙物。初読時は、序盤の展開に退屈したり、思いもよらない結末に唖然として、何とも言えない読後感でした。それでも、いくつかのシーンや結末を覚えていたので、インパクトがあったのだと思います。
今回の再読でも、やや冗長に感じられて、読むのに時間がかかりましたが、バークリー名義の本をすでに5冊読んでいたこともあって、この著者らしい意欲にあふれた作だと思えるようになりました。
主人公が抱く劣等感の描き方が、結末とともに皮肉がきいています。そこにバークリーらしさが表れていて好きですね。
【有栖が語るミステリ100】読了30作目
【長門有希の100冊】読了10作目