「りら荘事件」感想
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- 作者: 鮎川哲也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/03
- メディア: 文庫
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鮎川哲也の長編を読むのは初めて。非クローズドの山荘もの。
初刊は1958年で、さすがに文章表現や会話に古くささはあるものの、60年後のいま読んでも十二分に面白い。
随所に小技や伏線が大胆に散りばめられていて、本格を読み慣れていれば怪しいと気付くような記述が、最後に収束していく爽快感。
ツッコミ所はたくさんあったとしても、それを上回る楽しさがあり、後の新本格派へと続く源流であることが、はっきりと分かります。
あと、ノンフィクションっぽい「三人称作者視点」のような小説をあまり読んだことがなかったので、小説の語り口としても面白かったです。
【有栖が語るミステリ100】読了33作目
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