「りら荘事件」感想

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りら荘事件 (講談社文庫)

りら荘事件 (講談社文庫)

鮎川哲也の長編を読むのは初めて。非クローズドの山荘もの。

初刊は1958年で、さすがに文章表現や会話に古くささはあるものの、60年後のいま読んでも十二分に面白い。

随所に小技や伏線が大胆に散りばめられていて、本格を読み慣れていれば怪しいと気付くような記述が、最後に収束していく爽快感。

ツッコミ所はたくさんあったとしても、それを上回る楽しさがあり、後の新本格派へと続く源流であることが、はっきりと分かります。

あと、ノンフィクションっぽい「三人称作者視点」のような小説をあまり読んだことがなかったので、小説の語り口としても面白かったです。

【有栖が語るミステリ100】読了33作目
【新版 東西ミステリーベスト100 国内編】読了25作目 33位
【旧版 東西ミステリーベスト100 国内編】読了9作目 48位