「壺中の天国」感想

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壺中の天国 上 (創元推理文庫)

壺中の天国 上 (創元推理文庫)

壺中の天国 下 (創元推理文庫)

壺中の天国 下 (創元推理文庫)

上巻)
表紙のカバー絵が「小市民シリーズ(米澤穂信)」の片山若子さん! いい画だなあ。カラフルな色づかいで、少し暗さも感じられる、すごく好みの画風です。

倉知淳さんは初読み。初出時には「家庭諧謔探偵小説」という副題もあったようで、通り魔殺人事件ながらも、ちょっと個性的な面々の日常描写の中でストーリーが展開していきます。登場人物も多く出てきましたし、どうやってエピソードがつながっていくのか楽しみ。

下巻)
日常のエピソードが推理の伏線になっていて、なるほどという構成。探偵役・ワトソン役などの登場人物が事件から一定の距離を置いているので、連続殺人なのに日常ミステリという独特な作になっています。

「第1回本格ミステリ大賞」という先入観もあって、ちょっと物足りなさもあります。でも、作者の技巧は感じられますし、定評のある作家なので他の作品も読んでみたい。

表紙の絵が好きなので、これから表紙買い(ジャケ買い)してみようかなあ。好みの本が多そうだし。

なお、被害者の名前にリンクを見つけたんだけど関係なかった(笑)。作者の遊び心?