「明智小五郎事件簿 II」感想

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明智小五郎事件簿 2 「一寸法師」「何者」 (集英社文庫)

明智小五郎事件簿 2 「一寸法師」「何者」 (集英社文庫)

「一寸法師」いかにも乱歩というエログロ混じりの趣向にあふれた一編。結末も含めて悪趣味に過ぎる嫌いはあれど、ぐいぐいと読ませる。大正~昭和の都市描写も興味深い。

「何者」犯行現場の見取り図あり。そして足跡の謎。あっと言わせる犯人に結末。まさに王道の本格推理。巻末解説(法月綸太郎)によれば、当時の読者には不評だったというのも、探偵小説の歴史として面白い。

いずれも二転三転するストーリー運びが巧みで、作風は正反対ながらミステリーの醍醐味を楽しめる二編でした。

時代背景も説明されている巻末の年代記も読み応えがあって、次の巻も楽しみです。