「あらしのよるに」感想

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完全版 あらしのよるに (あらしのよるにシリーズ)

シリーズ全7巻の合本。世評どおりの良作でした。捕食者と被食者の関係にある、オオカミとヤギの友情ストーリー。

お互いの心の中に生ずる葛藤、相手への信頼や不信。それに加え、本来あってはいけない関係に、両者はそれぞれの属する群れからも迫害を受けていくことになります。

ふたりの関係は、人間と動物（家畜/ペット）にも置き換えられるでしょう。また、人間社会での個人や集団との関係を考えることもできます。示唆に富んだ物語です。

決して難解ではなく、登場人物や集団の心情・論理を追うことができます。あとがきによれば、もともと6巻が完結編だったとのこと。7巻の是非を考えてみることも良いかもしれません。

【光村図書 小学校教科書 国語 3年 紹介図書 平成27年度】