「夢と幽霊の書」感想

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夢と幽霊の書

夢と幽霊の書

『シャーロック・ホームズ』のコナン・ドイル。『不思議の国のアリス』のルイス・キャロル。彼らが所属していたことで有名な心霊現象研究協会。その会長を務めたアンドルー・ラングが蒐集した幽霊譚で、本邦初訳(原著は1897年刊)。解説によれば、夏目漱石も原書を読んで影響を受けたらしい。

実話怪談集や民話集といった感じで、調査による証言などを丁寧に集めています。19世紀末のイギリス、科学や心理学・人類学などが急速に発展していく中で、学術的に心霊を研究したいという著者の思いが伝わってきますね。

訳者あとがきや翻訳出版の経緯を語った解説も面白かったです。