「黄色い部屋の秘密」感想

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黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

こういうトリックは評価が割れるでしょう。古典だからというわけではなく、当時から批判もされているようです。

でも、稚気あふれるトリックは好きですね。自分は「積極的に楽しみに行く」タイプの読者なので、アンフェアだ!と怒るのではなくギャハハと笑って楽しんじゃう。書評を書くには向いていないけど、読者としては幸せというか能天気というか。

魅力ある謎が提示され、もったいをつけながら探偵役が解決していく。登場人物も少なめでキャラクターも立っていますし、人間ドラマもあって、やや冗長で読むには時間がかかったけれども飽きはしませんでした。

続編「黒衣夫人の香り」は新訳が出たら読みたい。本作でも旧訳は読みにくいという評が多いようなので。

著者の代表作「オペラ座の怪人」は既読だけど内容忘れちゃったなあ。光文社古典新訳文庫で出ているので、いつか読み直したい。

【きっかけ:喜国雅彦・国樹由香「本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド」】