「夜啼く鳥は夢を見た」感想
★読書メーター → https://elk.bookmeter.com/users/667041
夜啼く鳥は夢を見た (河出文庫―BUNGEI Collection)
- 作者: 長野まゆみ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1993/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
裏表紙のあらすじに「水紅色の物語」とある。前作『野ばら』が「白」なら本書は「赤=血の色」か。水蜜桃、赤銅色の夕暮れ、百日紅(作中では紫薇の表記)。
「長野まゆみは、少年と少年の関係を書きたいのではない」とは解説にある井辻朱美さんの言葉。物語はなく、五感に訴える描写で夢のように語られていく。
この作者は本当に怖ろしい。幾度となく死へと近づく描写がされていても、作者の筆致に酔わされてしまうのだ。なんて美しい死……いけない、いけない。いつしか、沼に惹かれていく自分が……
【きっかけ:再読。長野まゆみを初期作から読破中】