「深泥丘奇談・続」感想

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深泥丘奇談・続 (角川文庫)

深泥丘奇談・続 (角川文庫)

「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー 2」で『「最後にオチない怪談を」というリクエストが編集部からあって、そのようなものを手探りで書いてみたんですね』と著者が述べていた奇想怪談集「深泥丘奇談」の第2集。

第1集よりも筆が伸びやかに走っている感じ。ちょっとナンセンスなところもあって、そこがまた好いのです。収録作の「ソウ」の最後なんてね、プッと吹き出しながら楽しめちゃう。おー、そう来たかー、やりやがったな!って。

このシリーズは、もっとグロく書けそうなところを抑えている軽い筆致が好きですね。

こういう「奇妙な味」?の話は私の嗜好に合うのだけど、「綾辻」という名のラベリングは強力なのよねえ。手にした本書の帯にも「発見!角川文庫ミステリ 今月の新刊」とあって、ミステリの括りになっています。まあミステリという言葉も広義なので、間違ってはいないのですが。もともと短編集は売れにくいそうですし……

【きっかけ:綾辻行人作品を刊行順に読破中】次は「奇面館の殺人」を読みます。おー「館」だ!