「眼球綺譚」感想

眼球綺譚 (角川文庫)

眼球綺譚 (角川文庫)

2000年に読んで以来の再読。

これはいい塩梅のホラー短編集でした。「いい塩梅」とは、先に読んだ「殺人鬼」と比べてのことです。あのスプラッターぶりを続けて読むのは、さすがにつらいので(笑)。

前半3編の「再生」「呼子池の怪魚」「特別料理」が良かったですね。

「呼子池の怪魚」は、幻想的で切なさが感じられるのが良いのです。ちょっと美しさを感じるでしょ。

「再生」は上手くオチが決まっています。

「特別料理」はオチが分かるけど、やっぱり嫌だ!怖い!となるところが良いのです。

表題作の「眼球綺譚」はミステリー的なタッチもあって、ぐいぐいと読ませる中編です。巻末の風間賢二さんによる解説が濃厚で、今後の読書の参考にもなりました。「殺人鬼」シリーズといい、本書といい、ホラー作の解説は旧版も含めてどれもこれも熱が入っていますね。

そう言えば、自分も昔、谷山浩子さんのFM番組「ミスティナイト」のショートストーリーコーナーに投稿したホラーがあります。

「カクヨム」に投稿してあるので、一読して頂けたら嬉しいです(2500字程度の掌編です)。
kakuyomu.jp
↑を書いて番組で読まれたのは1995年7月。本書「眼球綺譚」を読んだのは2000年なので影響は受けていないのですが。

さて、綾辻作品を刊行順に読んでいるので、次は「フリークス」を読みます。