「眼球綺譚」感想
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/01/24
- メディア: 文庫
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これはいい塩梅のホラー短編集でした。「いい塩梅」とは、先に読んだ「殺人鬼」と比べてのことです。あのスプラッターぶりを続けて読むのは、さすがにつらいので(笑)。
前半3編の「再生」「呼子池の怪魚」「特別料理」が良かったですね。
「呼子池の怪魚」は、幻想的で切なさが感じられるのが良いのです。ちょっと美しさを感じるでしょ。
「再生」は上手くオチが決まっています。
「特別料理」はオチが分かるけど、やっぱり嫌だ!怖い!となるところが良いのです。
表題作の「眼球綺譚」はミステリー的なタッチもあって、ぐいぐいと読ませる中編です。巻末の風間賢二さんによる解説が濃厚で、今後の読書の参考にもなりました。「殺人鬼」シリーズといい、本書といい、ホラー作の解説は旧版も含めてどれもこれも熱が入っていますね。
そう言えば、自分も昔、谷山浩子さんのFM番組「ミスティナイト」のショートストーリーコーナーに投稿したホラーがあります。
「カクヨム」に投稿してあるので、一読して頂けたら嬉しいです(2500字程度の掌編です)。
kakuyomu.jp
↑を書いて番組で読まれたのは1995年7月。本書「眼球綺譚」を読んだのは2000年なので影響は受けていないのですが。
さて、綾辻作品を刊行順に読んでいるので、次は「フリークス」を読みます。