「新アラビア夜話」感想
- 作者: ロバート・ルイススティーヴンスン,Robert Louis Stevenson,南條竹則,坂本あおい
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/09/06
- メディア: 文庫
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タイトルからアラビアンナイト的な話かと勝手に想像していたら、舞台はイギリス・ロンドンでした。「アラビアンナイト」の物語形式に倣ったということらしい。
あー、19世紀末のロンドンの描写いいよなーって、当たり前だよ! そう、シャーロック・ホームズと同時期じゃないですか!
ホームズは小学生の時に何度もリピートして読んでたんですよ。偕成社の全集で。
ちなみに本書の第一編のタイトルは「自殺クラブ (The Suicide Club)」。ホームズの「赤毛組合」みたいに魅力的なタイトルですよね。
クリームタルトを手にタダで配っている青年。断ると青年自身が口にしないといけないらしい。その青年から「自殺クラブ」という自殺願望者が集まる会の存在を知る。そこでは、なにやら怪しげなゲームが行われていて……
「古典新訳文庫」の名から難解で堅いイメージを持ってしまうかもしれません。でも、本作は普通に連作短編サスペンスとして面白い。
ところで、「新アラビア夜話」には第二巻があるものの、第一巻との関連性がなく今回の訳出からは省略されたようで、これは今までの訳書でも同様なようです。
が、その第二巻収録作の「臨海楼綺譚」についてこんな記述が……
新アラビア夜話 - Wikipedia
1890年、アーサー・コナン・ドイルは「臨海楼綺譚」を「スティーヴンソンの才能の最高到達点」であり「世界一の短編小説」だと位置付けている。
うわー「臨海楼綺譚」読みたくなってきたー。でも、第二巻の全訳の角川文庫版は1952年の出版。「臨海楼綺譚」のみの対訳もプレミアついてて手を出しにくい。
まあ、いつか読めたらいいな、と気長に機会をうかがうことにしよう。*1
*1:国会図書館でデジタルデータ化(臨海楼綺譚 (新月社): 1949|書誌詳細|国立国会図書館サーチ)されているので、地元の図書館に足を運べば閲覧はできるようだ。