「バッテリー I」感想

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バッテリー (角川文庫)

バッテリー (角川文庫)

1996年作。有名作でタイトルだけは知っていましたが、こんな昔の作品だったんですね。

読者の等身大では「ない」主人公が特徴的。才能もあり、気も強く、自我も確立していてくよくよと悩まない。

このあたりの作意は、本書文庫版の作者あとがきで詳しく書かれています。子供を通しての大人たちへの批判にもなっているので、大人が読んでも面白い。大人側に感情移入して読むと、主人公らが憎らしく感じるでしょう。そこも好きなところです。続きも楽しみ。

【光村図書 小学校教科書 国語 6年 紹介図書 平成27年度】

「十二歳」感想

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十二歳 (講談社文庫)

十二歳 (講談社文庫)

2002年作。小学6年生女子が主人公。主人公が思っていることは、男女の差はあれど、自分が高校生の時に感じていたこととよく似ています。自分が自分じゃないような感覚。部活でのちょっと冷めた感覚。

主人公少女と父親の関係が、なんか好きですね。

教科書に紹介されている児童書を読み進めていますが、本作は凝った表現や描写が多くて、ちょっと難しいほうかな。読みごたえのある力作です。

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「おれがあいつであいつがおれで」感想

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おれがあいつであいつがおれで (角川文庫)

おれがあいつであいつがおれで (角川文庫)

1980年作。小学六年生男女のとりかへばや物語。映画『転校生』原作。

現代のいわゆるライトノベルっぽさ?もあって、ちょっと下品なところもある、痛快エンターテインメント作品です。中編ほどのボリュームで、一気に楽しく読めます。言動がやや荒っぽいので、そこを楽しめるかどうかは人によりそう。自分はコントを観ているかのような感じで読みました。

なお本書は2007年の文庫化ということもあり、解説の斎藤美奈子さんが時代とジェンダーについて語られています。

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「ぼくらのサイテーの夏」感想

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ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

1996年作。小学6年生男子の一人称視点で描かれた、いわゆるジュヴナイル小説。

20年以上前の作品ですが、そこで起きている主人公やその友達の家庭の問題は現在でも通ずるもので、あまり古さを感じません。

大人向けの一般小説だと、もっとドロドロとしたり難解になってしまうのに比して、本書のような児童文学のほうが、かえって率直に心に入ってくるような気もします。良作。

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「チーム! 上」感想

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チーム!上 (小学館文庫)

チーム!上 (小学館文庫)

2008-09年作。『チームふたり』『チームあした』の合本。小学5,6年生を中心に、卓球部の活動を描く。スポ根ものではなく、普通の公立小学生の日常とともにあります。

子供と大人それぞれの事情があり、各々の思いがちょっと絡まっている感じに、青春もの独特の苦さが。性格の異なるキャラクターが描き分けられていて、ストレートで読みやすい成長物語です。

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「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」感想

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冒険者たち ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫044)

冒険者たち ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫044)

1972年作。アニメでも有名なガンバ。子供の頃に劇場版?で観た覚えがうっすらとあります。

原作を読むのは初めてですが、こんなにもどっしりとした、シリアスでシビアな長編だったとは(400頁ほど)。ノロイとの戦いは、まさに命がけ。血を流し傷ついていく様子も、しっかりと描かれています。

仲間との友情や疑心暗鬼、ノロイたちとの攻防戦は読み応え十分。イカサマ・シジン・ガクシャ・オイボレなどなど、各キャラクターも個性的で楽しい。

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「文車館来訪記」感想

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文車館来訪記 (KCデラックス アフタヌーン)

文車館来訪記 (KCデラックス アフタヌーン)

古い人形や品々を、「物の怪」として擬人化したお話。各話8頁の短編連作で、最終7話は40頁です。

舞台は明治末~大正初期頃か。どれもが抒情にあふれたストーリーで、古い品々が語る想い出の記憶にしんみりと浸れます。

第四話の蝙蝠少女(コウモリ傘)がかわいい。絵もすごい好みで、心に残る一作となりました。もっとこの世界を読みたい!

米澤穂信古典部 伊原摩耶花の本棚30冊】読了2作目