「きつねのはなし」感想

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きつねのはなし (新潮文庫)

きつねのはなし (新潮文庫)

いつかは読みたいと思っていた森見登美彦さんを初読み。

これは良き幻想譚。前半2編の「きつねのはなし」「果実の中の龍」が好みです。死の香りが漂って、直接の描写は無いのに怖くなる感じがたまらないのです。

作中によく出てくる「水(雨・霧・疎水など)」は、幻想小説では「異世界との境界」を暗示するお馴染みのモチーフ。現実に「妖」がそれとなく混入して、世界がゆらゆらと揺れる感じが心地好い。文体も好きだなあ。

他作では全く違った作風もあるようなので、そちらが自分に合うのかどうかも楽しみですね。

【金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了25作目