「天体議会」感想

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天体議会(プラネット・ブルー) (河出文庫―BUNGEI Collection)

天体議会(プラネット・ブルー) (河出文庫―BUNGEI Collection)

初読かなと思ったら、「少年が飛ぶ→落下」のシーンで思い出しました。

「飛翔」「落下」というのは、自分の好きなモチーフなんですよね。少年少女を描いた小説などで、よく出てきます。おそらく「成長」なり、通過儀礼的なものを暗示していると思うのですが。

「南」は父という大人がいる場所。大人になりつつある兄と、まだ少年のままである弟の対比。まあ、単に成長物語に落とし込んで読むのは無粋かもしれません。

SF的な近未来世界観のもと、鉱石ラヂオやガリ版・石炭ストーヴなどのアイテムが登場して、稲垣足穂や宮沢賢治的な世界もミックスされています。そんな世界に浸るだけでも心地よい一作。