「赤い館の秘密」感想
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赤い館の秘密 乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10 (8) 集英社文庫
- 作者: A.A.ミルン,A.A. Milne,柴田都志子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
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――と、それだけで魅力的な作品。巻末の赤川次郎さんだけでなく、読者レビューを見ても、トリックも犯人も見破れたという記述が多いのですが、私は全く気付かず……。読者としては幸せなのだと前向きに捉えることにします(笑)
犯人の真相を知ったときに「あー、これ、乱歩推薦だったー」と思ったのでした。乱歩作でもよくあった趣向だと思います。
作全体に洒落っ気があるのも乱歩好みでしょうか。探偵とワトスン役の会話が面白いし、二人が積極的に捜査していくサスペンス感もあります。
およそ100年前の作で、本格ミステリーの骨格が見えるのも楽しいですね。現代から見るとさすがに陳腐なところもありますが、古典への興味が上回って、私には楽しめる一作でした。
【きっかけ:喜国雅彦・国樹由香「本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド」】