「猫森集会」感想

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猫森集会 (新潮文庫)

猫森集会 (新潮文庫)

摩訶不思議、ファンタスティック、メルヘン、ホラー、幻想小説(←適当な言葉が思い当たらない)。

子供の頃から嫌いな科目が国語だった自分を、読書好きへと導いてくれた思い出の一冊……なんだけど、この訳の分からない(←誉め言葉)短編集で読書好きになったのは今考えると不思議だなあ。

多分、当時は解釈せずに読んでいたのだろう。今読み返すと、これは地球滅亡三部作がテーマか……とか、変身譚は谷山浩子お得意だよねーとか、どうしても解釈してしまいます。

地底通信:「言った人が忘れてしまっても、ことばは消えない。忘れられたことばは、最も強いことばのまわりに集まって海になる」――大量のつぶやきがあふれるネットの海を思い浮かべる(書かれたのは30年前)。

タネもシカケもコンピューター:緑色の文字とかMS-DOSのプロンプトとか今の人には分からんだろうなあ(笑)。まあ、自分もWindows95以降しか知らないのだけど!

地球博物館:地球滅亡三部作(楽曲「穀物の雨が降る・ガラスの巨人・粉雪の日」)がモチーフ! アルバム「水玉時間」は良いよねえ。

あとがき:「読む人にわかりやすくということを意識した最初の本でもあります」そ、そうですね!と言っておこう……

そして、10頁にも及ぶ綾辻行人さんのハイテンションな解説(という名のファン・エッセイ)が楽しい。この解説を読んで「たんぽぽサラダ」のCDを買い、綾辻さんと同様に衝撃を受けたのでした。そして綾辻作「迷路館の殺人」を手に取り、そこでも衝撃を受け……本当に思い入れのある一冊なんです。

【きっかけ:再読。綾辻行人・解説】