「緋色の研究」感想

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緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

子供の頃に偕成社版で何度も繰り返し読んでいたホームズの再読。

ホームズらしさを求めるなら「冒険」から読むのが手っ取り早いのだろうけど、どうせ全部読むつもりなので発表順に読むことにしました。

相当久しぶりに読んだはずなのに、ホームズがワトスンの素性を言い当てるシーンは覚えていました。翻訳も読みやすく(かと言って軽薄でもなく)、当時の時代背景を主とした注釈も適切です。

トリックや推理といった趣向はやや薄め。そこは「冒険」以降に期待するとして、犯人が犯行に至るまでの過去を描いた、第二部の物語が抜群に面白い。

あと、光文社文庫の装丁・レイアウトは素晴らしい。古典新訳文庫も読みやすいし。手にすることの多い講談社文庫の字組が未だにしっくりこないだけに、その良さが際立ちます。人それぞれの好みだとは思いますが……。

Kindleで読めばいいのでしょうけど、電子書籍は解説がカットされていることが多々あり、紙で読むことも多いです(Kindle版サンプルの目次を見ると、本書では赤川次郎の巻末エッセイが省略されているようです)。

【きっかけ:再読。シャーロック・ホームズシリーズ読破中】次は「四つの署名」を読みます。