「貴族探偵」感想
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- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/10/18
- メディア: 文庫
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「こうもり」に尽きます。読み終わった後に頭が真っ白になってもう一度読み直したら、その技巧の細やかなこと! 伏線もきちんと張ってあるしで、二度びっくりしました。
「春の声」で詰将棋用語の「煙詰」が出てきますが、この短編集そのものが、まるで詰将棋のようです。
配置駒から作意を読み取っていくような楽しさがあります。余詰め回避のための無駄に見えるような駒。一目詰みそうなミスリード。打ち歩詰め回避のための大駒不成のようなトリッキーな手順。
実戦(リアル)ではあり得ないけども、詰将棋(本格ミステリ)ならではの技巧が凝らされているような、そんな作でした。
凝りに凝ったこの作を、テレビドラマで分かりやすく表現できるのだろうか。視聴率とは関係なく、忠実に映像化できたら凄いと思います。
「33分探偵(2008年フジテレビ)」とか「私の嫌いな探偵(2014年テレビ朝日)」が好きだったので、そんな感じのドラマになると嬉しいなあ。軽いタッチで見てみたいです。