「ムーミンパパ海へいく (ムーミン童話全集 7)」感想

ムーミンパパ海へいく (ムーミン童話全集 7)

ムーミンパパ海へいく (ムーミン童話全集 7)

原作者曰く「大人向けに書きました」(第1巻解説より)。

なるほど、訳を改めれば大人向けの――「家族崩壊の危機」を描いたもの――として、しかも重ためな小説になりそうです。

この巻で主役と言っていいムーミンパパには感情移入できず、ムーミンママに共感しながら読みました。

幻想的な描写も多く、丁寧に読まないと物語を追えなくなりそうになることも。一見、理解しがたい各キャラクターの言動も、じっくり考えると分かってきます。

いきなりこの巻を手にすると、ちょっと戸惑うかもしれません。1巻から順に読んでいると、作者の描きたいテーマがつかめてくるので、より分かりやすくなると思います。

モランとムーミンのやりとりも含め、ユーモア控えめの切ない物語です。