「輝く草地 (英国短篇小説の愉しみ 3)」感想
- 作者: 西崎憲
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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- 「輝く草地」アンナ・カヴァン
- 「殺人大将」チャールズ・ディケンズ
- 「コティヨン」L・P・ハートリー
- 「最後の笑い」D・H・ロレンス
- 「スフィンクスの館」ロード・ダンセイニ
- 「写真」ナイジェル・ニール
- 「ドン・フアンの生涯における一挿話」V・S・プリチェット
- 「ママが救けに」アンガス・ウィルスン
- 「ユグナンの妻」M・P・シール
- 「世界河」アーサー・キラ=クーチ
不思議・不可解で幻想的な味わいの話が多く集まっています。
「輝く草地」での妄想か幻覚かと思しき草地の情景は、なぜか引きつけられます。作者のカヴァンは薬物中毒らしいのですが。
「殺人大将」はちょっとグロい。残酷童話という感じ。「コティヨン」は描写が巧みでミステリ風味。
「写真」「ママが救けに」は、どちらも病床の子を持つ親や周囲を描いて、後を引く作品。救われない。
「ユグナンの妻」も惹きつけられた作。耽美的・神秘主義的で、読んでいると想像がふくらんでいく。
このシリーズは面白かったけれども、自分の国語力では読めない漢字や意味の分からない言葉もあって、なかなか翻訳物を読み進めていくのは私にはきついのかもしれないと思いました。
ヤングアダルト向けの翻訳本のほうが自分には向いているかも。