「東亰異聞」感想
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- 作者: 小野不由美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/04/26
- メディア: 文庫
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1994年作。20年振りの再読。
初読時の印象は薄く内容も覚えていなかったのに、いま読んだらもの凄く面白い。20年前の自分とは読書観がだいぶ変わったのかな。
第5回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作。だから幻想小説なのだけど、『本格ミステリ・クロニクル 300』で挙げられているように、構成は本格ミステリー。
ミステリーのロジックに幻想怪奇が絡まったり、事件の様相が反転したり、幻想とミステリーの醍醐味を両方味わえます。明治時代の仮想東京(東亰)が舞台で、ちょっと江戸川乱歩的な雰囲気があるのも好い。良作!
【本格ミステリ・クロニクル 300】読了39作目 1994年作
【怪奇幻想ミステリ150選】読了13作目
「暗号解読」感想
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- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06/28
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- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06/28
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原著1999年作。
サイモン・シン著作を読むのは、『フェルマーの最終定理』『宇宙創成』に続いて3作目。
どれも面白く、今作も熱中して読めました。
暗号の原理だけでなく、他の著作と同じように、人間ドラマが描かれているのが素晴らしい。上巻は歴史の読み物としても面白いし、下巻はインターネットの普及に伴う暗号技術が詳しく書かれていて、現代の生活へと直結するワクワク感があります。
公開鍵暗号の仕組みは聞いて理解するたびに忘れてしまうのだけど(笑)、本書の説明は分かりやすかった。
【長門有希の100冊】読了11冊目
「クマのあたりまえ」感想
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クマのあたりまえ (teens’ best selections)
- 作者: 魚住直子,植田真
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/08/02
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2011年刊。
本来は苦手なタイプの作品だけど、心温まる優しいストーリーのなかで、ちょっとした切なさや苦しさが描かれているのが良い。動物たちの姿を借り、淡々とした幻想味のある筆致が好きですね。良作。
【金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了49作目
「モモ」感想
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モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
- 作者: ミヒャエル・エンデ,Michael Ende,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/09/24
- メディア: 単行本
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1973年作。超有名作を今さらながら初読み。
ちょっと寓意が強く、好みとは少しずれる感じ。ファンタジー(幻想)小説としては、面白く読めました。
マイスター・ホラのシーンや、時間を花に例えるくだりなど、時間のファンタジー的な描写は好きですね。
後半の展開はスリリング。灰色の男たちの滑稽な描写もあって、エンターテインメント性があるのが楽しい。
【米澤穂信と古典部 千反田えるの本棚30冊】読了9作目
【荒俣宏 新編 別世界通信 180冊+5】読了6作目
【光村図書 中学校教科書 国語 1年 紹介図書 平成28年度】
「ブラッカムの爆撃機」感想
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ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの
- 作者: ロバート・アトキンソンウェストール,宮崎駿,Robert Westall,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/10/05
- メディア: 単行本
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ウェストールの中短編3作に加え、宮崎駿による解説漫画(全編カラー)を付した作品集。編集はスタジオジブリ。
児童文学という括りながら、表題作は爆撃機(第二次大戦)乗りが主人公。子供は全く出てこず、内容や翻訳も一般小説と変わりません。
リアルさを感じられる緻密な描写と幻想的・ホラー的な手法が合わさって、戦争における人々の苦しみの感情が浮かび上がってきます。
3編とも丁寧に感情が描写されていて、読みごたえがある一冊。
【金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了46作目
「かかし」感想
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- 作者: ロバートウェストール,Robert Westall,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/01/01
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1981年作。
13歳の少年が主人公。少年特有の孤独感や、それから生じる暴力性などを描いた、カーネギー賞の児童文学(ホラー)。
亡き父への想い。母への憎悪と愛情。継父への嫌悪。幼く無邪気な妹に対するやっかみにも似た拒絶。様々な負の感情によって少年に「悪魔」が降り、それは「かかし」の姿を借りて自らへと迫ってくる。
全体的に重たいストーリー展開で、対象は小学校高学年からとされているものの、心理描写はやや難解。児童文学でよく見られる成長物語というよりは、少年特有の心理そのものの描写に集中している感じです。
ちょっと自分のツボにはハマらなかったけれど、少年が抱く絶望感や悲しみに、切なくなる一作。
【金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了45作目
「バッテリー II」感想
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- 作者: あさのあつこ,佐藤真紀子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2004/06/25
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1998年作の第2巻。
2巻になり、よりキャラクター性がはっきりしてきて、面白い。
あとがきで著者が作意をはっきりと書いている通り、ストーリー描写は分かりやすく、それだけに登場人物のむき出しな感情が読者に伝わってきます。
大人社会への痛烈な批判・疑義ともなっており、児童書という枠を超えて、大人の胸に強く響いてくる。むしろ、大人に向けて書いているという印象さえも受けるほどです。
読んでいて苦しくなってくるようなシーンも多く、これからの展開が気になりますね。