「かかし」感想

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かかし

かかし

1981年作。

13歳の少年が主人公。少年特有の孤独感や、それから生じる暴力性などを描いた、カーネギー賞の児童文学(ホラー)。

亡き父への想い。母への憎悪と愛情。継父への嫌悪。幼く無邪気な妹に対するやっかみにも似た拒絶。様々な負の感情によって少年に「悪魔」が降り、それは「かかし」の姿を借りて自らへと迫ってくる。

全体的に重たいストーリー展開で、対象は小学校高学年からとされているものの、心理描写はやや難解。児童文学でよく見られる成長物語というよりは、少年特有の心理そのものの描写に集中している感じです。

ちょっと自分のツボにはハマらなかったけれど、少年が抱く絶望感や悲しみに、切なくなる一作。

金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了45作目