「ミリーのすてきなぼうし」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

ミリーのすてきなぼうし

ミリーのすてきなぼうし

小学2年生の教科書(光村図書)にも載っている絵本。教科書では一部の絵が省略されているので、改めて絵本で読みました。

とにかくイマジネーションにあふれた絵の、なんと楽しいことか。教科書でカットされている部分の絵も素晴らしく、これはぜひ絵本でも読んで欲しい! やはり見開きいっぱいに広がる絵は迫力があります。

なお、最初の一文が、絵本では「がっこうのかえり」となっているところ、教科書では「さんぽのとちゅう」と変更されています。学校帰りに帽子屋に寄り道をする部分が不適切だったのですかね(笑)。

本当に大好きな一冊です。傑作。

「だれも知らない小さな国 新イラスト版 コロボックル物語 1」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

1959年作。コロボックルという名前はもちろん知っていたものの、初読み。勝手に全編ファンタジーな作品だと思い込んでいたら、現実世界と地続きなストーリーで、しかも大人が主人公でした(回想から始まる)。

自然と人間を善悪の対立にするのではなく、共生の方向へと進むのが好印象。現実社会のリアルな手順も踏んでいて、60年前の作品ながら、現在でもずっと読み継がれているのも納得の作品でした。

【光村図書 小学校教科書 国語 6年 紹介図書 平成27年度】

「バーナード嬢曰く。 第4巻」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

読書家あるあるマンガの第4巻。

長谷川さんがイイ味を出してきました。キャラの関係性も描かれていて、個性もさらに際立った感があります。

本書の性質上、読めば読みたくなる本が増えるわけですが、今回はまだ読んだことのない安部公房が気になりました。第1巻から多く紹介され続けているSFも読みたいんだけど、なかなか手が回らないなあ。

「文庫版 魍魎の匣」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

ノベルスを新刊で読んで以来、約20年ぶりの再読。

犯人までは覚えていなかったけれど、作品根幹の驚異の真相だけは忘れるはずもなく、鮮明に覚えていました。このトンデモな話を成り立たせるだけの、語り口やストーリー運びがとんでもない。

京極堂の蘊蓄も物語に絡んでいるので、長いけれども無駄な長さではなく、面白さで時間を忘れてしまいます。ちょっと江戸川乱歩っぽいところもあって、好みの傑作。

本格ミステリ・クロニクル 300】読了37作目 1995年作
【新版 東西ミステリーベスト100 国内編】読了23作目 9位
長門有希の100冊】読了9作目
【このミステリーがすごい!】1996年版 4位

「聖月夜」感想

[読書] 「聖月夜」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

聖月夜 (河出文庫)

聖月夜 (河出文庫)

1991-92年作。短編4編を収録。

「クリスマスの朝に」は、著者にしては珍しく9歳の少女が主人公。海外の児童文学っぽい雰囲気に加えて、最後のちょっと意外な終わり方も好きですね。

少年アリス 3月うさぎのお茶会へ行く」は、蜜蜂や耳丸なんて名前が出てきて、ファンには嬉しいところ。

どの短編も児童小説っぽい感じで、気楽に長野まゆみさんの鉱質な世界へと浸れます。著者の子供時代の思い出を綴ったあとがきも楽しい。

“文学少女”と月花を孕く水妖

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

シリーズ第6作は特別編。モチーフは泉鏡花の『夜叉ヶ池』(ほかに『草迷宮』『外科室』)。

相変わらず壮絶・凄惨なストーリーです(もう慣れた 笑)。このシリーズ、人は死ぬし、男女関係ドロドロだし、表紙の可憐なイラストからは想像できません!

最後に遠子の文学解釈によって、事件の真相に新たな視点が浮かび上がってくるのは、ミステリで言う探偵の解決(あるいは多重解決)に近い楽しみがありますね。

さて、次巻はいよいよ本編最終巻ですかー。

「クローディアの秘密」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

原著は1967年刊。

12歳手前の少女と9歳の弟による家出の物語。いわゆるジュブナイルヤングアダルト)では王道の「ゆきてかえりし物語」要素もあるのかな。そして、秘密の共有。秘密には大人も絡みます。

クローディアの成長(変わりたい)願望が、メトロポリタン美術館!を舞台にユーモアを交えながら描かれていて、当時のアメリカ文化を知ることができるのも楽しい。

ちなみに、みんなのうたメトロポリタン美術館」のモチーフは本書らしい。良作!

米澤穂信古典部 千反田えるの本棚30冊】読了7作目
【光村図書 小学校教科書 国語 6年 紹介図書 平成27年度】