「木の声が聞こえますか」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

大藤の移植でも知られる、樹木医・塚本こなみさんの物語。

依頼主から樹木医に向けられる、時として冷ややかな言葉が印象に残りました。人間のお医者さんが抱えているであろう苦しみと同じように思います。

また、人間で言う、延命治療の是非や安楽死尊厳死と共通するような葛藤も感じられました。樹木も人間も同じ生命なので、そこには同じ課題が浮かび上がってくるのですね。

【光村図書 小学校教科書 国語 4年 紹介図書 平成27年度】

「いのちのおはなし」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

いのちのおはなし (講談社の創作絵本)

いのちのおはなし (講談社の創作絵本)

医師・日野原重明さんによる小学校での授業を絵本にしたもの。

「いのちは、どこにあると思いますか」という問い。児童たちに聴診器で実際に心臓の音を聴かせた後に、ハッとする答えが語られます。大人の心にも響く先生の言葉です。

【光村図書 小学校教科書 国語 4年 紹介図書 平成27年度】

「ホネホネたんけんたい」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

ホネホネたんけんたい

ホネホネたんけんたい

いろいろな動物の骨の写真が収められています。ウサギのしっぽの骨は、ちゃんと長いのね。耳には骨がないので、骨格だけではウサギと分かりません。

巻末のイラスト解説ページでは、標本を作るのに「煮る」といったことや鳥の骨の秘密などが書かれていて、トリビア的にも面白い。

【光村図書 小学校教科書 国語 4年 紹介図書 平成27年度】

「螺子式少年」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

螺子式少年(レプリカ・キット) (河出文庫―文芸コレクション)

螺子式少年(レプリカ・キット) (河出文庫―文芸コレクション)

1992年作。著者のSF長編『テレヴィジョン・シティ』と同時期の作で、雰囲気は似ています。

精緻で見分けのつかないレプリカ少年を前にして、自分の存在とは何か?と揺らぐ少年たちを描いた物語。なにか大きな展開があるわけではなく、淡々とした描写の中に不穏さが入り混じっていく感覚が好いのです。

「米澤穂信と古典部」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

米澤穂信と古典部

米澤穂信と古典部

古典部シリーズのファンブック的なもの。過去に雑誌に掲載された対談や記事が中心にまとめられています。

書きおろし短編が秀逸。「わたしたちの伝説の一冊」(『いまさら翼といわれても』所収)でも面白かった、折木奉太郎の読書感想文がまた読めます!

そして、「古典部メンバー4人の本棚大公開」では30冊×4の本が並びます。各対談やインタビューなどでも、数多くの本に触れられており、ますます本が読みたくなるブックガイドのような本でもあります。楽しい!

「こんなふうに作られる!」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

絵解き図鑑 こんなふうに作られる!

絵解き図鑑 こんなふうに作られる!

さまざまな日用品の製造工程を描いている絵解き図鑑。ちょっとした説明や囲み書きも面白い。

消しゴム付きの鉛筆が世に出た頃、子供がいい加減に字を書くようになるのではと親や先生たちがおそれていた――。ばんそうこうの色は国によってちがう(肌の色がちがうので)――。

大人が読んでも楽しめる絵本です。

【光村図書 小学校教科書 国語 4年 紹介図書 平成27年度】

「いまさら翼といわれても」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

苦いけど、どんどん読んでしまうビターな短編集。

「わたしたちの伝説の一冊」での『走れメロス』と絡めたストーリー展開が鮮やかでした。同じ伊原摩耶花視点の「鏡には映らない」も好い。

時間が動き、古典部メンバーが成長していく中で、各登場人物の「決断」も読みどころです。

表題作では千反田さんの今後が「気になります!」。コーヒーに砂糖の件は謎というよりも、同じ言葉が人によって認識が異なるという「苦さ」を象徴しているのでしょうか。現実の不安定な感覚が「古典部」の魅力です。もっと読みたいシリーズです。