「いまさら翼といわれても」感想

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いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

苦いけど、どんどん読んでしまうビターな短編集。

「わたしたちの伝説の一冊」での『走れメロス』と絡めたストーリー展開が鮮やかでした。同じ伊原摩耶花視点の「鏡には映らない」も好い。

時間が動き、古典部メンバーが成長していく中で、各登場人物の「決断」も読みどころです。

表題作では千反田さんの今後が「気になります!」。コーヒーに砂糖の件は謎というよりも、同じ言葉が人によって認識が異なるという「苦さ」を象徴しているのでしょうか。現実の不安定な感覚が「古典部」の魅力です。もっと読みたいシリーズです。