「羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集」感想

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羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集

羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集

著者作を初読。1930年前後に書かれた幻想(ファンタジー)短編集。

読んでいると稲垣足穂が思い浮かんできますが、足穂よりは取っつきやすいと思います。

解説によれば「魔女の宅急便」ジジ・キキの名付け元となったと云う表題作、「羽ばたき」が素晴らしい。少年(少女)、飛行と落下、生と死……こういったモチーフは好きですね。

他にも「鼠」や、妖精譚の「魔法のかかった丘」が印象に残りました。

巻末に、編者による20ページに及ぶ詳細な解説が付いています。装画・装丁も好みで、中々の読書体験となりました。タイトル通りの「傑作」集です。