「黄昏の囁き」感想

黄昏の囁き (講談社文庫)

黄昏の囁き (講談社文庫)

20年振りぐらいの再読。「囁きシリーズ」としては、今のところ最後の3作目。4作目「空白の囁き」の構想があるとかないとか、どこかで読んだ記憶があるけど、どうなのかしらん。「Another」が4作目みたいなものなのかな(1999年ぐらいから本をあまり読まなくなってしまったのだけど、「Another」は読んだんですよね。そして大好き!)

本書は、これまでの囁きシリーズより速いスピードで読んでしまいました。1.5倍くらいの速さで読んだのではなかろうか。それだけ、作中の展開がスリリングだったのかもしれません。推理色よりもサスペンス色が、より強いのです。

やっぱり「囁きシリーズ」好きです。後味悪いし読後にスッキリしない感もあるしで、好き嫌い分かれそうですが、自分は好みなんですね。怖いというホラーではなくて、何か全体にモヤがかかっているような、そんな雰囲気が好きなんです。

さて、本書の献辞にある「To Hirokosan」は谷山浩子さんのことですね。作中に出てくる犬の名前「パピー」は、谷山浩子の楽曲タイトルから。そう言えば、綾辻さんと谷山さんで合作をという話もあったらしい(谷山浩子「悲しみの時計少女」あとがきより)。両者のファンとしては、ぜひ今からでも実現して欲しい!

あと、作中に出てくるネパールの人と日本人の容姿が似ているといったような逸話も、谷山さんが語っていたような記憶があるんだよなあ。谷山さんはネパールで野外コンサートを開いている(1994年)ぐらい、思い入れのある地らしいですし。自分の記憶もあやふやなんですが……

この時期の綾辻作品の感想を書くと、どうしても谷山浩子ネタになってしまいますね(笑)。