「ゴースト・ハント」感想
- 作者: H・R・ウェイクフィールド,鈴木克昌ほか
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/06/28
- メディア: 文庫
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- 「赤い館」
- 「ポーナル教授の見損じ」
- 「ケルン」
- 「ゴースト・ハント」
- 「湿ったシーツ」
- 「〝彼の者現れて後去るべし〟」
- 「〝彼の者、詩人(うたびと)なれば……〟」
- 「目隠し遊び」
- 「見上げてごらん」
- 「中心人物」
- 「通路(アレイ)」
- 「最初の一束」
- 「暗黒の場所」
- 「死の勝利
- 「悲哀の湖」
- 「チャレルの谷」
- 「不死鳥」
- 「蜂の死」
他のアンソロジーで「ゴースト・ハント」を読んだことがあって、それは正直あまりピンと来ませんでした。代表作を楽しめなかったので、自分には向いていない作家なのかなーと思ったら、傑作ぞろいじゃないですか!
「ポーナル教授の見損じ」はチェスの話。将棋好きな自分としては興味深く読めました。よく将棋で「棋譜は対話なり」と言いますが、その「棋譜」が効果的に使われています。将棋好きならきっと面白いはず。邦題の「見損じ」は、将棋では「見落とし」と言うのが多いですね。「その筋を(うっかり)見落としていました」なんて言います。囲碁では「見損じ」も使われるようです。
参考 →「「見落とし」と「見損じ」 | 将棋ペンクラブログ」
「不死鳥」はヒッチコックの映画「鳥」を思い出しました。鳥の集団って不気味ですよね。
そして、いちばん印象に残ったのが「最初の一束」。村の因習にまつわるホラーで、日本を舞台に映像化しても十分に怖いと思います。「世にも奇妙な物語」で映像化して欲しい。
短編集とはいえ、全体的に濃厚な描写が多く読み応えがありました。