「女王国の城」感想
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- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/01/28
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上巻)
いわゆる新興宗教団体により建設された施設・街でのクローズド・サークル。
刊行は2007年だけども、本作の舞台は1990年。作中はオウム事件よりも前なのですが、読んでいる方としては少し意識してしまいますね。著者も少し気にかけているような感じもします。
登場人物も多く(=犯人候補も多い)、江神の活躍もまだまだ(むしろ江神にも謎があるような)。
マリアが未だに大人しい?んだけど、マリア視点の記述も挟まれてますし、これから何かやらかすのかなと思いつつ、下巻へ。
下巻)
軽妙な筆致で、登場人物のキャラクターや会話・行動が生き生きと描かれています。やっぱり、マリア視点が楽しい。各キャラが行動的なので、サスペンス感があります。
多くの伏線が、推理やエピソードとして回収されていくのは爽快。トリックよりもロジックに唸らされたという感じでした。
江神さんの謎?の一端も明かされて、予定では最終編となる次作を楽しみとさせますが、既に10年経っています。綾辻さんの館最終作とどっちが早いかな(笑)
【本格ミステリ・ディケイド 300】読了12作目 2007年作