「Yの悲劇」感想

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Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)

Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)

  • 作者: エラリー・クイーン,越前 敏弥
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/09/25
  • メディア: 文庫
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約20年ぶりの再読。犯人・凶器の理由などをしっかりと覚えていたので、伏線や手がかりを確認し、探偵の苦悩を感じながらの読書となりました。

登場人物や一連の犯行に「歪み」があります。その歪み自体が推理の糸口となって、本格の論理によって解き明かされる。本来なら秩序が回復し……となるところ、探偵は苦悩します。ロジックのみならず、探偵の言動も読みどころです。

今の時代から見れば、90年近く前に書かれた本書のストーリーや探偵の論理・言動も歪んでいると言えます。今と昔の読者では受け止め方が違うかもしれませんが、それも含めて名作であることに間違いないと思います。

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