「Xの悲劇」感想
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- 作者: エラリー・クイーン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/01/24
- メディア: 文庫
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読んだ本の内容をすぐに忘れる自分なのに、よほど初読時の衝撃が強かったからなのか、犯人とダイイングメッセージの真相を覚えていました(Yの悲劇も20年前に読んでいるんですが、そちらも犯人を覚えています)。
非常に推理が緻密に構成されていて、一つ一つの行動や描写に意味があります。終盤におけるレーンの解決は劇的です(その格好も含めて、笑)。
実現可能性というよりも論理を問う趣向で、リアリティのレベルをどこに置くかで、読者の判断は分かれると思います。自分はあまり現実性を問いません。許容範囲はかなり広いですね。リアリティよりもロジック……矛盾しているようですが、そんな言葉が頭に浮かびました。
記憶が残っている状態での再読だったので驚きはないですが、翻訳も読みやすく、本格ファンであれば読んでおきたい――というのは言うまでもないか。
【喜国雅彦・国樹由香「本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド」】読了10作目