「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎」感想

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ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎 (晶文社ミステリ)

ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎 (晶文社ミステリ)

ロジャー・シェリンガム物第3作。

ラストのセリフが、タイトルである「ロジャー・シェリンガムの謎」を解き明かしていますね。この探偵の本質を一言で(笑)。この探偵がいなければ物語が成り立たないという意味で、タイトルに挙げるべき主人公です。

100年近く前の作品だけれども、感情移入して読むタイプの小説ではないので、今の読者のほうが、強いキャラクター性やメタ性のある本書を楽しめるような気もしますね。

ちょっと中盤が退屈した感はあるものの、巻末の解説まで楽しく読めました。

推理の試行錯誤がユーモアな会話を交えて繰り広げられる様は、10年ぐらい前に放送されたテレビドラマ「33分探偵」を思い出したり――