「ガラスの麒麟」感想
★読書メーター → https://elk.bookmeter.com/users/667041
- 作者: 加納朋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/06/15
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (65件) を見る
冒頭の表題作が、白眉の一作。ミステリの技巧と心理描写が相まっています。
そこから連なる短編ミステリーとして、犯人像や解決のもやっとした部分については、「本格ミステリ・ベスト10」1998年版での書評(2位)が参考になりました。
もはや悪者を断定できなくなった97年頃の犯罪事件における「理不尽」な社会状況。当時は災害やテロなどもあったり、若者には「個性(アイデンティティ)」を強く求める風潮で、今とはまた違った独特な閉塞感があったのは、自分でも実感がありますね。
本書の感想とは別ですが、書評によって自分には見えなかったものが見えてくるなあ、と改めて思います。
著者作では「魔法飛行」や「ささら さや」も、また再読してみたいですね。
【本格ミステリ・クロニクル 300】読了25作目 1997年作