「魚たちの離宮」感想

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魚たちの離宮 (河出文庫)

魚たちの離宮 (河出文庫)

本作で幻想の場となるのは「池」。前作『夜啼く鳥は夢を見た』では「沼」でした。

盂蘭盆の風習をもとに少年たちの生と死が混濁する中で、大人である謎のピアノ教師が異物として介在しています。

年下でありながら大人と関わっている弥彦と、彼らと距離がつかめない市朗の対比が良いですね。

ホラー風味の幻想譚として、前作とセットになるような作でした。