「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー 1」感想
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- 作者: 有栖川有栖(著・編),綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: 単行本
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この企画を発案した有栖川有栖さんに感謝。帯に「ミステリって、こんなに面白い。」とありますが、「アンソロジーって、こんなに面白い。」とも思わせてくれます。
最初に取り上げられているのは江戸川乱歩とコナン・ドイル。
有栖川さんはルパンよりホームズ派(綾辻さんはルパン派)。綾辻さんは江戸川乱歩が原体験。子どもの頃にホームズと乱歩ばかり読んでいた(ルパンは1冊で挫折した)私にとっては丁度良かったのでした。
そのホームズの「技師の親指」を読んでいたら、途中で宮崎駿チックなアニメ絵が浮かんできて、なんだろうと思ったら、アニメ「名探偵ホームズ」の記憶なのでした。子どもの頃に読んだホームズが上書きされてた(笑)。学生時分に再放送を観ていたし、数年前にもニコ生(公式)で放送していたのを観ていたのだった。
乱歩の「赤い部屋」も結末も含めて自分好み。やっぱり乱歩は、綾辻さん同様、私の原体験なんです。
クイーンの「ガラスの丸天井付き時計の冒険」も面白かった。その後のお二人の対談を読むとさらに楽しい。
そして、なんと言っても井上雅彦「残されていた文字」!!!!! これだけでも良いから読んで! いいから読んで!
竹本健治「恐怖」も良かったし、泡坂妻夫やカーも良かった。本書のスタイルだと対談でネタバレが可能だから、もどかしくなくて良いのですね。
短編集とかアンソロジーって、あまり売れていないような気がするけれども、こんな感じのアンソロジーがもっとあればいいなあと思います(有栖川有栖さんが前書きで述べている北村薫さんの「謎のギャラリー」はぜひ読んでおきたいです)。