「ユリゴコロ」感想

ユリゴコロ

ユリゴコロ

このミステリーがすごい!2012年版の5位(このミスを1年ずつ遡って読んでいます)。

父親の留守中に発見した手記と母親を巡るミステリー。犯罪を告白する手記を書いたのは、いったい誰なのか。本当に起きた出来事なのか……

過去と現在がクロスしながら進んでいくストーリー運びに熱く惹かれました。

何の先入観も持たずに読んだのですが、実は作者の沼田まほかるさんは「イヤミス」の書き手として知られているらしい。「イヤミス」とは、嫌な気分になって後味が悪いようなミステリを総称しての言葉だそうです。ここ何年も読書から離れていて全くついていけていない私なのでした。

帯には「衝撃の恋愛ミステリー」とあって、これは自分にはマイナスの惹句。恋愛物は敬遠してしまうので、このミスの紹介文にこの言葉があったら手に取らなかったですね。

恋愛物ではなくミステリーとして十分に面白いので、読んで良かったです。

一つ言うなら、私は小説に対して、共感や感情移入して読むということは余りしないのでいいんですが、そうでない人に取ってはイヤミスは厳しいのかもしれませんね。