「月に名前を残した男 江戸の天文学者 麻田剛立」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

江戸時代に活躍した天文学者麻田剛立(1734-1799)の伝記。元は児童書として書かれたものということもあり、全く専門知識がなくても読めます。そして、大人が読んでも面白い。

日本にまだ伝わっていなかったケプラーの第三法則を独学で見つけるなど、観測に基づいた高度な研究が行われていたようです。剛立の残した功績は、その弟子から、あの伊能忠敬へと受け継がれていくとのこと。

医者でもあった剛立の解剖学についての話もあり、科学史として面白く読めます。

【光村図書 小学校教科書 国語 5年 紹介図書 平成27年度】

「ななつのこ」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこ (創元推理文庫)

約20年ぶりの再読。

初読時よりも感触が良かったのは、自分の読み幅が広がったせいでしょうか。本書のようなハートフルな物語も、わりと素直に受け入れられるようになった気がします。

作中作との二重構成も、ミステリとしてはそれほど奇抜でトリッキーな印象はありません。日常の謎を通じて、登場人物たちの心情が鮮烈に浮かび上がってきます。「白いタンポポ」がベストでしょうか。

さて、次作の『魔法飛行』も再読しないと!

本格ミステリ・クロニクル 300】読了36作目 1992年作

「新ちゃんがないた!」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

新ちゃんがないた (文研じゅべにーる)

新ちゃんがないた (文研じゅべにーる)

1986年刊行。障害者教育に教師としてたずさわり、自身も筋萎縮症を患った著者による児童書。

小学5年生の主人公と足の不自由な同級生との物語で、日々の困難やイジメに立ち向かう友情、そして子供たちだけでなく先生や親たちの感情も細やかに描かれています。決して綺麗事ではなく、泥臭い現実がそこにはあります。

30年前の作で多少古びてはいますが、描写されている感情や言動は、現在にも十分に通じます。というよりむしろ、本書で描かれている考え方にようやく社会が追いついてきたのだと言ったほうが良いのかもしれません。

【光村図書 小学校教科書 国語 5年 紹介図書 平成27年度】

「りゅうおうのおしごと! 7」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

前巻の描写にはついて行けないところも多々あったのですが、本巻での熱い戦いの描写はやっぱりいいですね。ベテラン棋士と若手棋士奨励会員)の関係、棋士とソフト(AI)との関係、様々な心理模様は面白い。

あとがきで触れられている某九段の話題は泣けました。もともと好きな棋士だったんですが、ますます好きになります。

「天のシーソー」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

天のシーソー (ポプラ文庫ピュアフル)

天のシーソー (ポプラ文庫ピュアフル)

表紙イラストが酒井駒子さん! 解説が梨木香歩さん! これでハズレなわけはないでしょう、と。

小学五年生の少女を主人公に、母や妹、友達などとの交流を軸にした短編連作集。ほろ苦い痛みを乗り越えつつ成長し、失敗しても前へと進んでいく物語はとても切なく胸を打たれます――「児童文学はやり直しがきく話である」と語っていたのは宮崎駿さんでしたか。

その一方で、大人たちのやり直しのきかない厳しい現実も少女の周囲にはあって、より深みのある物語になっています。大好きな一冊です。

【光村図書 小学校教科書 国語 5年 紹介図書 平成27年度】

「アインシュタイン 痛快! 宇宙論」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

アインシュタイン 痛快! 宇宙論 (知のトレッキング叢書)

アインシュタイン 痛快! 宇宙論 (知のトレッキング叢書)

原著2013年刊。

相対性理論量子力学素粒子・光などをテーマに、アインシュタインと共に宇宙をめぐる科学コミックで、村山斉さんの監修。

絵で説明されているので、イメージがしやすく分かりやすい。科学史も追えるので、読み物としても面白いです。光速は絶対、時間は相対。自分の直感に合わないけど、ワクワク感がすごい!

【東京書籍 中学校教科書 理科 3年 紹介図書 平成28年度】

「晴れた日は図書館へいこう」感想

読書メーターhttps://elk.bookmeter.com/users/667041

2003年作の児童書。小学五年生の女の子を主人公に、図書館を舞台にした物語。

多少どうかなと思う場面はあれど、子供ならではの動機や謎解きもあって、日常の謎ジャンルのミステリーとして面白い。北村薫さんの編によるアンソロジーにも採られた冒頭作「わたしの本」が好きですね。

あと、作中で紹介されている(架空の)本のあらすじが面白くて、読みたくなります(笑)。